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Wizards of a sanctuary(魔術師達の聖域)

Wizards of a sanctuary(魔術師達の聖域)

甦りし者8



???「貴方と月の力があればわざわざあたしを頼らずともできることじゃあないの・・・?」


 ケルベロスの額の宝石が輝いて黒い妖艶な服を着ている女性を映し出している。次元の魔女こと壱原侑子(偽名)である。

ケルベロス「・・・ん~・・・それはそうやけど・・・今回は緊急なんや、ソエルかラーグをこっちに寄越してくれへんか? 侑子」


侑子「あら?ご指名・・・?そういうところはかつての主人と同じねケルベロス・・・でもご指名料上乗せして対価は高くつくわよ・・・って言いたいところだけど生憎 ソエルは玖楼国の姫の旅に同行しているし、ラーグはこっちでしないといけないことがあるもの・・・」

ケルベロス「・・・さくらと同じ魂を持つ者やな・・・そのお姫さん・・・大変なのはわかるけど・・・わいらの世界かて大変なんや・・・なんとかならへんか・・・」

侑子「残念だけど・・・あたしがしてあげられることはないわ・・・いえ、その世界はあたしや奴の干渉を全く受けない・・・おそらくあたしや奴の力を凌ぐ誰かが弾いているのでしょうね・・・」

  侑子の言葉にもはや絶望しうなだれる黄金獣・・・

ケルベロス「せやか・・・忙しいとこすまんかったな・・・侑子・・・ほな・・・」

侑子「ケルベロス・・・全てのモノゴトには必ず裏表があるのよ・・・気をつけなさい」

 侑子に返事をせぬまま交信を打ち切ったケルベロス・・・そして木之本家の上空9000m・・・いやもはや天空ともいえるべきところまで飛んでいき、空気との摩擦のせいかケルベロスの身体に火が点く・・・

ケルベロス「しゃあない・・・こっからがわいの・・・いやおれの力の見せ所だな・・・」

  ケルベロスは炎に包まれ人の姿へと変わった・・・いや正確には黄金の獣人
と変貌したのだが・・・大阪弁を覚える前のケルベロスの性格に戻っているらしい

獣人・ケルベロス「できればこの姿にはなりたくなかった・・・この姿はクロウにもさくらにも見せるわけにはいかない・・・」

  ケルベロスの最終形態ともいえる獣人型は体温が異常に高温であって人間が近づいただけで耐えられずに消滅してしまうだろう・・・

獣人・ケルベロス『我が身体に宿りし業火よ・・・大いなる数々の災いから主・木之本桜を護る障壁となれ・・・火炎の刻印(バーニングフォース)!!!』

 ケルベロスはまばたきすることなく凍りついたかのように火炎を放出し続けて魔法陣を形成している。

獣人・ケルベロス「・・・おれはこの力を使い続ける限りここからもう動けぬ・・・月・・・さくらを頼むぞ・・・」


  ~さくらの部屋~

さくら「ケロちゃん遅いね?」

知世「・・・・・・・・・・・・・・・」

さくら「知世ちゃん・・・?」

知世「・・・・・・・・・・・・・・・」

さくら「知世ちゃん!!!」

知世「・・・・・・!!!あ、ごめんなさい、さくらちゃん・・・ちょっと考え事していたもので・・・」

さくら「ううん、いいの。ごめんね・・・わたしのほうこそ・・・」

知世「そういえばさくらちゃん 李君から手紙を頂いたのでしたわね」

さくら「うん・・・魔法・武術の修行中みたいだけど・・・大丈夫かな・・・小狼君・・・」

知世「大丈夫に決まってますわ、李君ですもの」

さくら「どうかな・・・小狼君しっかりしているようだけど案外抜けているとこあるから・・・(苦笑)」

 小狼が居たらおまえに言われたくないというところであろう。だがさくらの読みもあながち外れではない。


  ~同時刻 香港・李家の一室~

夜蘭「小狼・・・何故呼ばれたかわかっていますね・・・?」

小狼「は、はい母上・・・(汗)」


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